遺産相続でもらった車の名義変更を自分でやる方法

マサコ

「遺産相続」なんて、一般家庭の我が家ではあまり関係なと思っていましたが、一般家庭でも父親が亡くなればそれなりに相続が発生するんですね。


それなりの相続の中でも、よくある車(乗用車)の相続について、ど素人のおばちゃんが実体験を元にどのようにして手続きを完了したか説明いたします!
※軽自動車はまたちょっと違う手続きになるみたいですので、ご注意ください。

尚、この記事は少数の家族構成で、相続するものも少ない内容での一例ですので、相続人が沢山居たりゴネる人が要る場合には参考になならないかもしれませんがご了承ください(;・∀・)

亡くなった父の愛車、売るか乗るか問題

我が家の場合、父の遺産相続人は
1、母
2、姉
3、私
の3人のみです。相続するものは家と乗用車くらいで、家は母に相続してもらってあとは車だけという程度です。

我が家で引き取る

父の車は亡くなる数年前に購入したのですが、あまり乗らないうちに入退院を繰り返すようになって、私が実家に帰った時に、病院に行ったり買い物に行ったりして実質的には私の車のようになっていました。

父は運転が好きであまり乗れなかったことを気にしていましたし、亡くなったからといってすぐに処分するのは偲びなく、名義変更等はせず、しばらく現状維持のまま実家に置いていたのですが、我が家の車の車検切れと入れ替えで父の車をしばらく乗ることにしました。

この時、名義変更をしておけばよかったんですが、ここから2年弱、名義変更せずに保険の手続きだけ切り替えて乗り続けていました。スミマセン(~_~;)

所有者が変わった場合には15日以内に手続きをしなければならない

相続における自動車の名義変更は法律上の義務ではなく手続きの期限も決められていません。 ただし、「道路運送車両法」では、下記の通り定められています。

第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。

なので、本来は亡くなってから15日以内に3人での共有財産として名義変更は行わなければならなかったようです。

結果的に3年弱放置でしたが、そこは何も言われませんでした。(;´∀`)

相続における名義変更に必要な書類を揃える

それでは、いよいよ名義変更です。
父名義の車を娘である私が相続して名義変更をするというミッションです。

まず何が必要なのか?検索に検索を重ねて、我が家の場合、下記の書類が必要であることがわかりました。

  1. 自動車検査証(車検証)
  2. 戸籍の全部事項証明書
  3. 遺産分割協議書
  4. 新所有者となる相続人の印鑑証明書
  5. 車庫証明書
  6. 申請書(第1号様式)
  7. 手数料納付書
  8. 自動車税(環境性能割・種別割)申告書

5で必要な書類は警察署、6~8は運輸局で入手することが出来ますが、ダウンロードも可能ですので、当日慌てないように予め準備しておくことをお勧めします。

6~8を当日運輸局で入手する場合は、必ず実印も持っていきましょう。
準備していく場合も、書き間違っていたりするかもしれないので、やっぱり実印は持っていきましょう。

1.車検証

誰もが知っている「車検証」です。車のダッシュボードの中に入れてあるあの書類です。
一応、名義変更前の名前が父であることを確認して、これは問題なくクリアです。

2.戸籍の全部事項証明書

亡くなった人の本籍地の市役所で入手できます。手数料は700円。
これはどういうものかと言うと、下記の通りになります。

★所有者の死亡の事実が確認できるもの、および相続人全員が確認できるもの。なお、婚姻などで氏名等の変更があった場合はそれが確認できるものも必要。
★「戸籍の全部事項証明書」は、戸籍をコンピュータ化した自治体が発行する証明書で、以前の紙戸籍で発行していた戸籍謄本と同じものである。

我が家の場合は、父本人が無くなって除籍となっている戸籍謄本ですが、姉と私が結婚して父の戸籍からは除籍となっていますので、その記録も一緒に記載がある「戸籍の全部事項証明書」が必要ということでした。

ちなみに、父の戸籍にはまだ母が居るので「戸籍謄本」ですが、もし母も無くなっていればそれは「除籍謄本」となります。

必要書類を調べているうちに、「除籍謄本または戸籍謄本」と書かれている記事もあって、ちょっと混乱したのですが、そういうことです(;・∀・)

父の本籍地は実家の隣市で市役所も割と近いので、母に取りに行ってもらい解決です。

3.遺産分割協議書

これはちょっとややこしくて、相続する車の現状価格が100万円以下なら必要なくて、代わりに「遺産分割協議成立申立書」でも良いとされています。

ただしその場合は査定証が必要で、査定証の発行は買取業者ではしてもらえないので、国土交通省の許可を受けた「日本自動車査定協会」に依頼しましょうということで、これは非常に面倒。。。

父の車はもちろん100万円以下ですが、なんちゃら協会に依頼するよりはフットワークの軽い姉に言って遺産分割協議書の方を準備してもらった方が早いので、母と姉の住所氏名に実印を押した遺産分割協議書を送ってもらって解決です(^o^)

遺産分割協議書の雛形をこちらからダウンロードできます。

遺産分割協議書


4.新所有者となる相続人の印鑑証明書

印鑑証明書とは、登録された印鑑が本物であることを証明する書類です。
新所有者=私なので、私の印鑑証明が必要になります。
他の相続人(母と姉)の印鑑証明は不要です。

市役所の窓口で発行してもらうか、マイナンバーカードを持っていればコンビニエンスストアーのコピー機から発行することが可能です。

印鑑証明書(印鑑登録証明書)のイメージ
印鑑証明

私はマイナンバーカードを持っていて、居住している市もコンビニ対応しているので、近所のファミリーマートのファミポートで発行しました。

ちなみに市役所で発行すると200円ですが、コンビニだと100円で発行できます(^^♪

5.車庫証明書

車庫証明とは、正式には自動車保管場所証明書といって、自動車の保管場所があることを証明する書類のことです。

証明後、概ね1ヶ月以内のものが必要で、管轄の警察署で入所可能です。
※亡くなった方と新所有者となる相続人が同居家族の場合は不要となる場合あり。

車庫証明書の発行に必要な書類

保管場所使用承諾証明書

駐車場が所有地の場合は、保管場所使用権原疎明書面(自認書)でOKですが、駐車場が賃貸の場合は、貸主に「自動車保管場所使用承諾(証明)書」を発行してもらう必要があります。

我が家は、自宅が分譲マンションで、敷地内の駐車場を借りている状態です。
夫の名義で借りている駐車場なので、「管理会社が夫に貸している」駐車場を、「夫が妻(私)に貸す」という要は又貸しの許可証を発行しなければならないということで、1週間ほど余計に時間がかかってしまいました(;´Д`)

これは、うっかり私が管理会社に電話した時に「私が相続するので~」という話をしてしまったのでややこしくなってしまいましたが、警察の処理には全く関係ないので法的には必要ない物らしいです。
マンションによっては、同居の家族の場合は必要ないというところも多いみたいです。

又貸し許可証(正式名称を忘れました)に名前を書いて送り返すと、ようやく自動車保管場所使用承諾(証明)書を手に入れることが出来ました。

実は一連の準備書類の中で、これが一番めんどくさかったです(笑)

自動車保管場所証明申請書

この書類は、警察署で当日もらって書き入れることも出来ますが、ダウンロードすることもできますので、お住まいの県のHPを探してみてください。

私の場合は、エクセル形式で次に紹介する「保管場所標章交付申請書」と一緒に4枚複写になったファイルをダウンロードすることができました。

自動車保管場所証明申請書サンプル
保管場所標章交付申請書

これは、車庫証明書が交付された自動車であることを示す標章を発行してもらうための書類です。

保管場所標章交付申請書サンプル

標章とは、車庫証明の申請を終え、車庫証明書の交付と一緒にもらえるステッカーのことです。

車庫証明のステッカー
4.保管場所の所在図・配置図

自宅から駐車場の位置関係、駐車場及びその付近の位置関係を示す書類です。
こちらも警察署でもらうことも、ダウンロードも可能です。

保管場所の所在図・配置図サンプル

左の枠には手書きでも貼り付けでも良いので、自宅周辺の地図を記します。
右の枠には、駐車場の詳細を書き入れます。手書きでもOKです。

この4つの書類を持って、最寄りの警察署へ行き、車庫証明の発行手続きを行います。
書類に不備がなければ、手数料分の証紙を貼って提出、受理されると1週間ほどで車庫証明書が出来るので、警察署行って標章代を証紙で支払って、書類とステッカーを受け取って終了です。

手数料は地域によって違うみたいなんですが、2000円~2250円のようです。
標章代は500円~600円のようです。
お住まいの県のHPなどで確認してくださいね。

まずは、賃貸駐車場の方は大家さんに連絡することが一番です!

6.申請書(第1号様式)

国土交通省のホームページからダウンロードできます。→申請書(第1号様式)
車の名義変更は、正式には「移転登録」と言います。書類の中に「名義変更」という記載が無いので迷いますが、上部の小さい文字のところは「移転登録」にチェックを入れてください。
詳しい書き方は、各運輸局で紹介されていると思いますので検索してみてください。

7.手数料納付書

名義変更だけでなく、廃車や住所変更などの各種手続きの際に手数料を納める為の書類です。この書類に手数料に相当する金額の印紙を貼り付け、申請を行います。

こちらからダウンロードできます。

手数料納付書サンプル

8.自動車税(環境性能割・種別割)申告書

運輸支局で名義変更、廃車、住所・氏名変更などの手続きを行う際に、各都道府県の税事務所に内容を申告する為の用紙です。
実際の手続きは、運輸支局に隣接した税事務所で行います。
自動車税(環境性能割・種別割)申告書は、こちらからダウンロードできますが、手続きを行う当日に事務所で入手できます。

自動車税(環境性能割・種別割)申告書サンプル

私は、この書類のダウンロードができなかったのですが、当日、窓口の係の方が記入する場所に印を打ってくれたので、簡単に書き込むことが出来ました。

運輸局で手続き

8種類の書類を揃えられたら、最寄りの運輸局へ行きます。
ナンバープレートも変えないといけないので、必ず車で行ってください。
尚、今回は登録ナンバーに希望が無い場合の例になりますのでご了承ください。

運輸支局等は国土交通省のホームページで検索できます。

書類提出

私の地域の運輸支局は思ったより広く、事務所の他にも建物があって、まずどこに車を停めてどの建物へ向かえば良いのか悩むと思いますが、適当に停めてそれらしい建物へ向かってください(笑)

市役所っぽい窓口が並んだ場所に到着したら、とりあえず職員さんを捕まえて何をどうすればよいか聞いてみましょう。大抵は優しく教えてくれます(笑)

簡単に言うと、「移転登録」の手続きを受け付けている窓口に行って、番号札を取って書類一式を準備してあるクリップで番号札と一緒に止めて、提出する(箱に入れる)という作業になります。

この時、私はまだ手数料の証紙を貼っていなかったので、一旦呼ばれて「隣の建物で手数料の印紙を買ってここに貼ってきてください」と貼る箇所を教えてもらい、そのようにして再提出しました。

新車検証の受け取り

書類に不備がなければ、数分で新しい車検証が交付されます。
その車検証を持って、隣の建物にある自動車税事務所などの税申告窓口に車検証と自動車税(環境性能割・種別割)申告を提出します。

自動車取得税がかかる場合は、ここで金額が提示されますので続けて納税を行うそうです。
お金持っといた方がいいですね(;・∀・)
ナンバーの変更を伴わない場合は、これで名義変更は終了です。

ナンバーの変更手続き

1.旧ナンバープレート返納

運輸支局場内のナンバー返納窓口に、ナンバープレートを返納します。
ATMみたいな姿の返納用の機械に、指示通り外したナンバープレートを並べて置きボタンを押すと、ガシャコン!と、まぁまぁ大きい音と共に下へ吸い込まれていきます。
サヨナラ旧ナンバー。。。

外したネジは横のバケツに入れるように言われましたので、ガラガラとバケツへ入れました。

ナンバープレートを外す為のドライバーは、返納窓口に用意されているし、外し方(リアナンバーの封印の破き方)についても、係の方が丁寧に教えてくださいました^^

おばちゃんにも簡単に出来ましたよ(*´ω`*)

2.新ナンバープレートの交付

運輸支局場内のナンバー交付窓口で、新しいナンバープレートを購入し、新しいネジももらえるので自分で取り付けます。
後のナンバープレートの左上に封印をするのですが、それだけは係の人がやってくれます。
アルミの蓋をギュッと押し込むだけなんですね(;・∀・)

これでミッション完了です!!(*^▽^*)
なんという達成感。。。
なんだかとってもデキル人になった気分で、テンション高めで帰宅できました♪


まとめ

もめる心配のない遺産相続における乗用車の名義変更は自分で出来る!

「自動車」「名義変更」で検索すると、弁護士や代行業者の情報が沢山出てきますが、高い手数料を支払うことになりますので、平日に時間を取れるのであれば自分でやった方が断然お得です。

インターネットで書類をダウンロードできる便利な時代ですので、ぜひこの記事を参考にしてご自分で手続きしてみてください^^

マサコ

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!